何回かに分けて、OSOCUがモノづくりをする上で欠かせない、素材や技術の話を”まわり”としてお話していきたいと思います。今回は2回目。
この記事は名古屋黒紋付染って何?という質問によく染めを依頼する立場として答える内容です。
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【名古屋黒紋付染は名古屋の伝統工芸)
名古屋黒紋付染は江戸時代の尾張藩時代にルーツを持つ染色技法。
読み方は「なごやくろもんつきぞめ」です。
江戸時代は 尾張徳川家の膝下で城下町であった名古屋。京や江戸と肩を並べる工芸都市として発展していました。そんな土地の衣服供給の一部として発展してきた伝統的な染色技術です。
【第一礼装に用いられる深い黒】
明治時代にはその技術が認められ、五つ紋の黒紋付羽織袴が第一礼装として用いられるようになります。
名古屋黒紋付染の特長は漆黒ともいえるその黒の深さ。一般的な黒の服と並べてみるとよくわかります。
下染めをしてから染色をする伝統技術を応用し、アパレル製品での染色でもの黒一色では無く、赤や黄色といった他の色を組み合わせることで深みを出しているそう。
【丁寧な染色を支える手作業】
染色作業は手作業が中心。機械化が進み、ワッシャーと呼ばれる工業用の洗濯機を使用した染色も多い中、名古屋黒紋付染を受け継ぐ山勝染工さんでは、職人の作業で染色を行っています。
大量生産を目指さない、私たちOSOCUのようなブランドにはとてもありがたく、生産には欠かせない存在がこうした職人さんたちなのです。
湯通し、染色、洗いと半日以上の時間をかけ丁寧に染色された黒は、日常洗濯でほとんど色落ちしません(一番良い洗濯堅牢度5級の判定)
名古屋黒紋付染の染め元、山勝染工さんでは、染め替えサービスも行っています。古くなったり汚れてしまったら色を染め直して使う着物の習慣を現代版にも普及させたいと活動されています。
https://yamakatu.co.jp/staining
名古屋黒紋付染を用いたOSOCU商品はこちら↓
https://www.osocu.jp/collections/nagoyakuromontukizome
文章:OSOCU 谷
写真:山勝染工、OSOCU